この記事の3行サマリー

  • Claude Code は、メッセージを送るたびにそれまでの会話をすべて送り直しています。会話が長いほど、1回あたりのトークンが増えます。
  • 減らすコツの中心は、会話をタスクごとに区切る、キャッシュを壊さない、最初に読み込む量を減らす、の3つです。
  • 効いているかは /usage で確かめられます。まずは現状を見るところから始めてください。

「Claude Code を使っていたら、すぐに使用量の上限に届いてしまう」。本格的に使い始めた方から、よく伺う相談です。この記事では、Claude Code で使うトークンを減らす手順を、効果の大きいものから順に整理します。

トークンが増えると何が起きるか

Claude Code の利用量は、トークン(AIがやりとりする文章の量を数える単位)で決まります。

  • 定額プラン(Pro・Max など):使用量の上限に早く届きます。上限に届くと、リセットされるまで待つことになります
  • APIキーで使っている場合:そのまま請求額が増えます

なぜトークンは増えていくのか

Claude Code は、メッセージを送るたびに、それまでの会話をすべて送り直しています。最初の指示、読み込んだファイル、Claude の返答、ツールの実行結果まで含めて、毎回まとめて送る仕組みです。

公式ドキュメントにも、1日中開きっぱなしの会話では、1行の質問でも会話全体の分の使用量がかかると書かれています。

なお、送り直す部分の多くは「キャッシュ」という仕組みで安く読み込まれます。キャッシュは Claude Code が自動で管理しているので、設定は要りません。利用者がやるべきことは、会話を必要以上に長くしないことと、キャッシュを壊さない使い方です。

結論:6つの手順

  1. 会話をタスクごとに区切る
  2. キャッシュを壊さない
  3. 最初に読み込む量を減らす
  4. 重い作業は分けて任せる
  5. 考える深さとモデルを仕事に合わせる
  6. 効いているかを確かめる

手順1:会話をタスクごとに区切る

効果の目安

関係のない作業を同じ会話で続けると、前の作業の内容が、その後のすべてのメッセージで送り直されます。公式ドキュメントでも、古い内容が残っているとその後のメッセージのたびにトークンが無駄になると説明されています。

一方、/clear で会話を新しく始める操作そのものには、トークンはかかりません。

具体的なやり方

  • 別の作業に移るときは /clear:会話を新しく始めます。あとで戻りたい会話は、先に /rename で名前を付けておくと、/resume で呼び戻せます
  • 続きが必要なら /compact:それまでの会話を要約して軽くします。何を残すかを一緒に書けます
  • 方向を間違えたら /rewind:前の時点まで戻します。要約と違ってキャッシュ済みの時点に戻るので、読み直しが起きません
  • /compact は作業の切れ目で:自動の要約が作業の途中で始まるのを待たず、区切りのよいところで自分で実行します

記入例:請求書の作業から議事録の作業に移るとき

/rename 請求書テンプレートの修正
/clear
(ここから議事録の作業を始める)

続きのある作業を軽くしたいときは、残す内容を指定して要約します。

/compact 決まった方針と、変更したファイルの一覧だけ残して

手順2:キャッシュを壊さない

効果の目安

キャッシュが効いている間は、送り直す部分が通常より安い料金で読み込まれます。反対にキャッシュが外れると、次の1回は会話全体を読み直すため、遅くなり、使用量も増えます。

キャッシュが保たれる時間は、定額プランの範囲内で使っていれば1時間、APIキーで使っている場合は5分です。これより長く手を止めると、再開した最初の1回は読み直しになります。

具体的なやり方

  • モデルは作業の最初に決める:途中で /model を切り替えると、次の1回はキャッシュなしで会話全体を読み直します
  • 考える深さも最初に決める:多くのモデルでは、途中で /effort を変えるとキャッシュが外れます。Claude Opus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5 と Claude Fable 5.1 は、定額プランかAPIキーで使っていれば保たれます
  • CLAUDE.md を途中で書き換えても、すぐには反映されない:キャッシュは壊れませんが、書き換えた内容が使われるのは /clear・/compact・再起動のあとです
  • 長く離れたあとは、新しく始める:長い休憩のあとで大きな会話を /compact すると、要約のために全体を読み直すので、かえって重くなります。続きが要らなければ /clear で始め直します

記入例:定型の作業をまとめて片付ける日の始め方

/model sonnet
/effort low
(ここから作業を始め、終わるまで切り替えない)

/model sonnet のようにモデル名を付けて実行すると、その場で切り替わり、次回以降の既定にもなります。

手順3:最初に読み込む量を減らす

効果の目安

CLAUDE.md は、会話を始めるときに読み込まれ、その会話のあいだずっと送り直されます。特定の作業でしか使わない手順まで書いておくと、関係のない作業中もその分のトークンがかかり続けます。公式ドキュメントは、CLAUDE.md を200行以内に収めることを勧めています。

具体的なやり方

  • CLAUDE.md は、毎回必要なことだけに絞る:目安は200行以内です
  • 特定の作業の手順は、スキルに移す:スキルは呼び出したときだけ読み込まれるので、ふだんのトークンが減ります
  • 使っていないMCPサーバーは止める:/mcp で一覧を開き、使っていないものを無効にします
  • 何が場所を取っているかを見る:/context で、読み込まれている内容の内訳を確認できます

記入例:CLAUDE.md の見直し

見直し前です。作業ごとの手順まで、すべて CLAUDE.md に書いています。

# 会社の基本情報
(社名・事業内容・用語の決まりごと)

# 議事録の書き方
(30行の手順)

# 請求書の作り方
(40行の手順)

# 提案書の構成
(50行の手順)

見直し後です。作業ごとの手順はスキルに移し、CLAUDE.md には毎回必要なことだけを残します。

# 会社の基本情報
(社名・事業内容・用語の決まりごと)

# 作業ごとの手順
議事録・請求書・提案書の手順は、それぞれのスキルを使う

手順4:重い作業は分けて任せる

効果の目安

長いログやテスト結果をそのまま読ませると、その全文が会話に残り、以降のメッセージのたびに送り直されます。公式ドキュメントの例では、1万行のログを全部読ませる代わりに「ERROR」を含む行だけを渡すことで、数万トークンが数百トークンに減っています。

具体的なやり方

  • 必要な部分だけを見せる:ファイル全体を読ませず、必要な行だけを抜き出してから見るよう指示します
  • 量の多い作業は、サブエージェントに任せる:テストの実行、資料の読み込み、ログの確認などを別のAIに任せると、長い出力はそちらに残り、元の会話には要約だけが戻ります
  • 指示は具体的に書く:「このファイルをよくして」のような漠然とした指示は、広い範囲を調べさせることになります。対象と目的をはっきり書くと、読み込むファイルが少なくて済みます

記入例:ログからエラーの原因を探す

(見直し前)
このログファイルを読んで、エラーの原因を調べて

(見直し後)
このログファイルから「ERROR」を含む行だけを抜き出して、原因を調べて。
ログの確認はサブエージェントに任せて、分かったことだけ報告して

手順5:考える深さとモデルを仕事に合わせる

効果の目安

Claude が考える過程で使うトークンは、出力として数えられます。公式ドキュメントによると、既定の設定では1回のリクエストで数万トークンになることもあります。単純な作業まで深く考えさせると、その分がかかります。

モデルも同じです。公式ドキュメントでは、Sonnet は多くのコーディング作業を十分にこなし、Opus より安いとされています。なお、現在のバージョンでは、定額プランの既定のモデルは Claude Opus 5.5 です。

具体的なやり方

  • ふだんの作業は Sonnet、込み入った判断は Opus:/model sonnet・/model opus で切り替えます
  • 単純な作業は、考える深さを下げる:/effort low のように指定します。値は low/medium/high などから選べます
  • 切り替えは作業の最初に:途中で変えると、キャッシュが外れることがあります(手順2)

記入例:仕事ごとの目安

仕事の例 モデル 考える深さ
議事録の要約、定型文の作成 Sonnet low
資料の作成、ふだんの作業 Sonnet 既定のまま
設計の判断、複雑な分析 Opus 既定のまま

あくまで出発点です。結果が物足りなければ、一段ずつ上げてください。

手順6:効いているかを確かめる

効果の目安

/usage を開くと、使用量とその内訳を確認できます。定額プランでは、使用量の1割以上を占めている原因(長い会話、キャッシュの外れなど)が、減らすためのヒントと一緒に表示されます。

具体的なやり方

  1. /usage を開く
  2. 使用量の内訳で、大きな割合を占めている項目を見る
  3. 「Prompt cache (main)」の行で、キャッシュから読めている割合と、外れた回数を見る(この行は Claude Code v2.1.251 以降で表示されます)

記入例:キャッシュの行の読み方

/usage には、次のような行が表示されます(公式ドキュメントの表示例)。

Prompt cache (main):   14 requests · 91% of input tokens from cache · 2 misses (last 6m 10s ago, 310.2k tokens re-cached) · 1 expected rebuild (compaction or tool-result clearing) · warm (1h TTL, last activity 40s ago)
  • 91% of input tokens from cache:送ったトークンの91%を、キャッシュから読めている
  • 2 misses:キャッシュが外れて読み直しになった回数です。多いときは、途中でモデルを切り替えていないかなど、手順2を見直します
  • warm:いまキャッシュが保たれている状態です

やってはいけない使い方 3つ

  1. 1つの会話を1日中使い続ける:1行の質問でも、会話全体の分の使用量がかかります
  2. 作業の途中でモデルをこまめに切り替える:切り替えるたびに、次の1回は会話全体の読み直しになります
  3. 長い休憩のあと、大きな会話をそのまま要約する:要約のために会話全体を読み直すので、かえって重くなります。続きが要らなければ /clear で始め直します

よくある質問(FAQ)

Q. 定額プランでも、トークンを減らす意味はありますか?
A. あります。定額プランには使用量の上限があり、トークンを減らすほど上限に届きにくくなります。

Q. キャッシュは自分で設定する必要がありますか?
A. ありません。Claude Code が自動で管理しています。利用者がやることは、手順2の「壊さない使い方」だけです。

Q. どこから手をつければいいですか?
A. まず /usage で、何に使用量がかかっているかを見てください。そのうえで、効果の大きい手順1(会話を区切る)から始めるのがおすすめです。

まとめ:会話を区切り、キャッシュを守る

要点を振り返ります。

  • Claude Code は、メッセージのたびに会話全体を送り直している
  • まずは作業ごとに /clear で区切る。続きが必要なときだけ /compact
  • モデルと考える深さは作業の最初に決め、途中で切り替えない
  • CLAUDE.md は200行以内。作業ごとの手順はスキルへ
  • 重い作業はサブエージェントに任せ、必要な行だけを見せる
  • /usage で、効いているかを確かめる

出典:本記事の内容は、Claude Code 公式ドキュメント Manage costs effectively・How Claude Code uses prompt caching・Model configuration に基づきます(2026年9月時点)。コマンドや既定の設定は、バージョンによって変わることがあります。

カラフルボックスの Scale Works では、Claude Code の業務活用を伴走型で支援しています。「使用量がすぐ上限に届く」「どこでトークンを使っているのか分からない」という段階からのご相談も承っています。まずは現状の使い方を一緒に見るところから始めませんか。