制度名の変更について:「IT導入補助金」は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。この記事の補助率・補助額は2026年度(令和7年度補正)の内容です。制度の変更点はデジタル化・AI導入補助金2026の変更点、申請枠の選び方は2026年の申請枠と補助率をご覧ください。
「人事評価のクラウドシステムを導入したいが、コストが気になる」——そんな経営者に知っておいてほしいのがIT導入補助金です。政府のデジタル化支援策を活用することで、導入費用の半分(条件を満たせば3分の2)まで補助を受けられる可能性があります。仕組みと申請のポイントを解説します。
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際の費用を国が一部補助する制度です(経済産業省所管・中小企業庁運用)。人事評価クラウドシステムは業務プロセスの効率化ツールとして補助対象になるケースがあります。
補助金の主な枠と補助率(2026年度)
| 枠 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|
| 通常枠(業務プロセス1つ以上) | 1/2以内(最低賃金近傍の事業者は2/3以内) | 5万円〜150万円未満 |
| 通常枠(業務プロセス4つ以上) | 1/2以内(最低賃金近傍の事業者は2/3以内) | 150万円〜450万円以下 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | 50万円以下の部分は3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超〜350万円の部分は2/3 | ITツールは最大350万円(1機能は50万円まで) |
| インボイス枠(電子取引類型) | 中小企業2/3以内、大企業1/2以内 | 350万円以下 |
| セキュリティ対策推進枠 | 中小企業1/2以内、小規模事業者2/3以内 | 5万円〜150万円以下 |
人事評価システムは、通常枠のITツールのうち「総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務」のプロセスに当たります。補助の対象になるのは、ソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)、導入設定・マニュアル作成・導入研修・保守サポートなどの導入関連費です。
賃金引き上げの要件は、申請額と過去の交付の有無で変わります(第7次締切以降の公募要領)。補助金を150万円以上申請する場合は、交付申請日の属する事業年度を基準に、1人当たり給与支給総額を1年後に3%以上、事業計画期間(3年間)の年平均成長率でも3%以上増やし、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする賃金引き上げ計画を作り、従業員に表明することが必要です。IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、この3%が3.5%になり、申請額が150万円未満でも、1人当たり給与支給総額を1年後と年平均でそれぞれ3.5%以上増やす計画の表明が必要です。計画を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められることがあります。なお、保険医療機関・介護サービス事業者・社会福祉事業者・学校などは、この賃上げ要件の対象外です。
※補助内容は毎年度変更になるため、最新の公募要領を必ず確認してください。 ※出典:中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の概要」(令和8年4月)、デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠・第7次締切以降)
補助の対象になる事業者(2026年度)
補助の対象は、業種ごとに次の基準を満たす中小企業・小規模事業者などです(資本金または従業員数のどちらかを満たせば対象です)。
| 業種 | 資本金(出資総額) | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) | 5千万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5千万円以下 | 200人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
医療法人・社会福祉法人・学校法人は、常時使用する従業員数が300人以下であることが基準です。このほか、ゴム製品製造業、商工会・商工会議所、特定非営利活動法人などの基準もあります。詳しくは公式サイトでご確認ください。
※出典:中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の概要」(令和8年4月)
補助の対象になる費用(通常枠)
- ソフトウェア購入費・クラウド利用料:クラウド利用料は最大2年分が対象です
- 導入関連費(オプション):機能の拡張、データ連携ツールの導入、セキュリティ対策にかかる費用
- 導入関連費(役務の提供):導入・活用のコンサルティング、導入設定、マニュアル作成、導入研修、保守サポートにかかる費用
人事評価システムでは、月額利用料や初期設定に加えて、導入研修や運用サポートの費用も対象になりえます(範囲は公募要領によります)。交付決定の前に契約・発注した費用は対象外です。
申請の3つのポイント
ポイント①IT導入支援事業者(ベンダー)を先に選ぶ
登録されたベンダーのツールのみが対象です。まず対象ツールを選定し、ベンダーに申請サポートを依頼します。
ポイント②gBizIDプライムを早めに取得する
取得に数週間かかるため、早期の準備が必要です。
ポイント③導入目的を具体的に記述する
「人事評価の集計工数を削減し、人事担当者が戦略的業務に集中できる体制を整備する」といった明確な目的設定が採択のポイントです。
制度設計から補助金活用まで一体的に支援を受けることで、スムーズな人事DXの実現が可能です。 まずは補助金の最新情報を確認し、導入計画と並行して申請準備を進めましょう。
